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母の部屋にあったはずの金の指輪やネックレスが、気づいたら無くなっていた。相続人の一人が遺品を勝手に売ったと分かると、驚きと悔しさで頭がいっぱいになりますよね。
結論から言うと、売られた金も遺産分割の話し合いの中で取り戻す道があります。売った品は戻らなくても、その分を含めて分け方を決め直せる決まりがあるんです。
この記事では、まず確かめること、話し合いの進め方、まとまらない時の調停、そして自分が売る側にならないための注意が分かります。
兄が、母の貴金属を誰にも言わずに売っていたみたいなんです。もう取り返しはつかないんでしょうか。
まずは落ち着いて、何をいつ売ったのかを確かめるところから始めましょう。売った分も含めて、分け方を話し合い直すことができますよ。
遺産分割の前の遺品の金は、誰の物?
相続人が複数いる時、遺品の金は遺産分割が終わるまで相続人みんなの共有です。誰か一人の物ではありません。
相続は、亡くなった時に始まります(民法882条)。そして民法898条には「相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する」と書かれています。
つまり、母の指輪も父の延べ棒も、分け方が決まるまでは相続人全員で持っている状態なんです。同居していた家族が管理していても、それだけで管理している人の物になるわけではありません。
『でも、生前に「あげる」と言われていたらしい』という話が出ることもあります。そうした事情があるかどうかも含めて、相続人どうしで確かめていくことになります。
| 状況 | 遺品の金の扱い | 考え方 |
|---|---|---|
| 遺産分割の話し合いの前 | 相続人みんなの共有 | 一人で売ったり処分したりしない |
| 話し合いで分け方が決まった後 | 受け取ると決まった人の物 | その人が残すか売るかを決める |
| 遺言で受け取る人が決まっている | 遺言の内容によって変わる | 内容が分かりにくい時は専門家に確認 |
取り分の目安になる法定相続分は、民法900条で決まっています。分け方の全体は相続した金の分配方法で詳しく説明しています。
相続人が勝手に売った遺品の金はどうなる?民法906条の2
売ってしまった物は、もう遺産から外れてしまうんですか?
そうとは限らないんです。相続人みんなが同意すれば、売られた金も「遺産として残っている」と扱って分け方を決められます。
民法906条の2には、遺産分割の前に遺産が処分された場合の決まりがあります。共同相続人は「その全員の同意により、当該処分された財産が遺産の分割時に遺産として存在するものとみなすことができる」とされています。
ここが大事なところです。同じ条文の2項で、処分した相続人本人の同意は要らないとされています。
例えばこんな場面です。兄弟3人のうち1人が母の金のネックレスを売っていた場合、残る2人が同意すれば、そのネックレスも遺産に入れて分け方を考えられます。
相続人が相続財産の全部または一部を処分すると、単純承認したものとみなされます(民法921条1号)。売った本人が後から相続放棄を考えている時は、家庭裁判所や弁護士・司法書士に確認しておく必要があります。
『売った品が戻らないなら、話しても意味がないのでは』と感じる方もいるかもしれません。ただ、分け方を決め直せるので、話し合う意味は十分にあります。
売ったお金の行方や、そのお金を誰がどれだけ受け取るかは、この条文だけでは決まりません。具体的な進め方は、弁護士や家庭裁判所に相談してみてください。
勝手に売ったと分かった時、最初に確かめること
『すぐに問い詰めたい』という気持ちになるのは自然なことです。ただ、感情のまま話すと、後の話し合いがこじれやすくなります。
先に事実を集めておくと、落ち着いて話を進められます。何が無くなっていて、何が残っているかを確かめてみてください。
- 残っている遺品の金を一か所に集め、写真を撮る
- 無くなった品を思い出せる範囲で書き出す(種類・刻印・おおよその数)
- 売った本人に、いつ・何を・いくらで売ったかを聞く
- 買取の明細や計算書があれば見せてもらい、写しを残す
- ほかの相続人にも状況を伝え、一覧を共有する
買取店では、売る人の本人確認をして記録を残しています(古物営業法15条)。売った本人の手元には、明細が残っていることも多いはずです。
聞き方の例としては、「責めたいわけじゃなくて、分け方を決めるのに金額を知っておきたいんだ」と伝えると、話が進みやすくなります。

話し合いで決める時の進め方
兄と冷静に話せるか自信がないです…。
二人きりで話さなくても大丈夫です。ほかの相続人も入れて、一覧と金額を見ながら話すと、気持ちより事実に目が向きやすくなりますよ。
遺産分割は、相続人の話し合い(遺産分割協議)で決めます。民法907条では、相続人は「いつでも、その協議で、遺産の全部又は一部の分割をすることができる」とされています。
売られた品があっても、話し合いの進め方は基本的に同じです。売った分をどう扱うかを、ほかの遺産と合わせて決めていきます。
| 決め方の例 | どんな分け方? | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 売ったお金を遺産に戻して分ける | 売った代金を、決めた割合で分ける | 売った金額がはっきりしている時 |
| 売った人の取り分から差し引く | 売った分を受け取り済みとして計算する | ほかにも分ける遺産がある時 |
| 売った人がほかの相続人にお金を払う | 取り分を超えた分をお金で調整する | 売った金額が取り分より多い時 |
どの決め方にするかは、相続人みんなの合意次第です。決まった内容は遺産分割協議書に書いておくと、後で確かめやすくなります。
売った本人を責める言葉が増えるほど、話し合いは長引きがちです。「何を・いくらで売ったか」と「どう分けるか」に話題を絞ってみてください。
話し合いがまとまらない時は家庭裁判所の調停へ
相続人どうしで話してもまとまらない時は、家庭裁判所の遺産分割調停を使えます。裁判所の案内では、相続人の1人または何人かが、ほかの相続人全員を相手方として申し立てる手続きです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申し立てる先 | 相手方のうち1人の住所地の家庭裁判所、または当事者が合意で決めた家庭裁判所 |
| 費用 | 被相続人1人につき収入印紙1,200円分と連絡用の郵便切手 |
| 主な書類 | 申立書、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本など |
| まとまらない時 | 調停が不成立になると、自動的に審判の手続きに移る |
調停の前に、遺品の一覧と写真、売られた品について分かっていることをまとめておきましょう。説明がしやすくなるうえ、自分の気持ちの整理にもつながります。
売られたお金の返し方や、相手が話し合いに応じない時の対応は、事情によって変わります。弁護士に相談すると、取れる手段を具体的に教えてもらえます。
遺産分割そのものに期限はありません。ただし、相続開始から10年を過ぎると、特別受益や寄与分を考えない分け方になると定められています(民法904条の3)。
自分が「勝手に売った」側にならないために
私の手元にも、母の金のブレスレットがあります。使わないので売りたいのですが…。
売る前に、ほかの相続人に一声かけておきましょう。分け方が決まって自分の物になってからなら、安心して売れますよ。
遺品の金を預かっている側も、気をつけたいところです。よかれと思って売っても、ほかの相続人から見れば「勝手に売った」ことになりかねません。
おたからや公式のコラムでも、「共有となる品の処分は相続人間の同意を得てから進めると無用な争いを避けられる」と案内されています。
- 遺品の金の一覧を、相続人全員で共有したか
- 残したい人がいないか、希望を聞いたか
- 誰が売るか、売ったお金をどう分けるかを決めたか
- 決めた内容を協議書やメモに残したか
売ると決めた品だけを、自分で選んだ買取店に持っていきましょう。品物ごとの金額を聞いてから決めれば、相続人にもそのまま説明できます。
おたからやでは、査定料やキャンセル料はかからないと案内されています。LINE査定も「売らずに金額を知るだけでも大丈夫」とされているので、話し合いの材料として金額だけ聞いておくこともできます。
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売ると決めた形見だけ、金額を聞いてから
残す物を決めて、家族で話し合ったら、売る品だけを査定に出しましょう。刻印のない品や壊れた品も、店で品物を見てもらい、1点ずつ金額の説明を聞いてから決められます。査定だけでも大丈夫です。
査定料無料公式サイトで買取価格を確認する買取価格は日々変わります。最新の価格・条件・必要書類は公式サイトで確認してください。
金額を持ち帰って相続人と共有し、みんなが納得してから売れば、後でもめる心配はぐっと減ります。売る時に必要な書類は相続した金を売る時の必要書類で説明しています。

「相続人が勝手に売った遺品」よくある相談
ネットの相談サイトでよく見かける悩みを3つ取り上げます。
知らない間に、家族が遺品を処分していた
亡くなった親の遺品を、家族の一人が知らない間に処分していたという相談です。
まずは、何が残っていて何が無くなったのかを確かめましょう。処分された物に金や貴金属が含まれていたなら、遺産分割の話し合いで扱いを決めることになります。
思い出の品を失った悲しさは、お金では埋まらないこともありますよね。残っている品のうち、自分が残したい物を先に伝えておくと、同じことを防ぎやすくなります。
預けていた遺品の貴金属が、買取店に売られていた
親族に預けていた遺品の貴金属が、その家族によって買取店に売られていたという相談です。
まずは誰がいつ売ったのか、明細が残っているかを確かめましょう。相続人以外の人が関わっている時は、事情が複雑になりやすいので、早めに弁護士に相談してみてください。
売った店も金額も分からない。調べる方法はある?
相続人の一人が遺品の宝石や貴金属を売ったけれど、店も金額も教えてもらえないという相談です。
まずは本人に、明細を見せてほしいと頼んでみましょう。それでも分からない時や話し合いに応じてもらえない時は、弁護士への相談や家庭裁判所の調停を考えてみてください。
よくある質問
相続人が勝手に売った遺品の金は、取り戻せますか?
売った品そのものは戻らないことが多いです。ただ、民法906条の2により、相続人みんなが同意すれば、売られた金も遺産として残っているとみなして分け方を決められます(売った本人の同意は不要)。
売ったお金は、売った本人の物になるのですか?
遺産分割の話し合いで扱いを決めることになります。売った人の取り分から差し引く、ほかの相続人にお金を払うなど、方法は合意次第です。具体的には弁護士に相談してみてください。
話し合いに応じてもらえない時はどうすればいいですか?
家庭裁判所の遺産分割調停を申し立てられます。費用は被相続人1人につき収入印紙1,200円分と連絡用の郵便切手です。まとまらなければ審判の手続きに移ります。
遺品を預かっているだけなら、売っても大丈夫ですか?
分け方が決まる前は、相続人みんなの共有です。売る前に相続人全員に伝えて、誰が売るか、お金をどう分けるかを決めてからにしましょう。
まとめ
- 遺品の金は、遺産分割が終わるまで相続人みんなの共有(民法898条)
- 勝手に売られた金も、相続人全員の同意で遺産として扱える(民法906条の2・売った本人の同意は不要)
- まずは残っている品と売られた品を確かめ、明細を見せてもらう
- まとまらない時は家庭裁判所の遺産分割調停、具体的な対応は弁護士へ
- 自分が売る時は、相続人で決めてから、品物ごとの金額を聞いて売る
相続した金の扱い方の全体は相続した金(ゴールド)の扱い方、形見の金全般は形見の金を売るには?遺品から出てきた金の扱い方と売り方でまとめています。







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