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使う予定のない形見の指輪やネックレス。売ろうかと考えるたびに、胸がちくっと痛む。形見を売ることに罪悪感があって、なかなか手が動かないという方も多いはずです。
結論から言うと、形見を売ることは悪いことではありません。残したい物を先に決めて、家族と話してから、売る物だけを手放せば、後悔はぐっと減ります。
この記事では、罪悪感の正体と、納得して手放すための順番、家族への伝え方をお話しします。
母の形見の金のネックレス、もう何年もしまったままです。売ったら母に悪い気がして…。
そう思えるのは、それだけお母さんを大切に思っている証拠ですよ。売るかどうかは急がなくて大丈夫です。まずは気持ちを1つずつほどいていきましょう。
形見を売ることに罪悪感を覚えるのはなぜ?
罪悪感の中身は、人によって違います。何が引っかかっているのかが分かると、どうすればいいかも見えてきます。
形見を手放す時の罪悪感は、1つの気持ちではなく、いくつかの気持ちが重なっていることが多いんです。
『お金に換えるなんて、冷たい人みたい』『家族に何か言われたらどうしよう』『売った後に後悔したら取り返せない』。どれも、まじめに向き合っているからこそ出てくる気持ちですよね。
- 亡くなった人に申し訳ない気がする
- 思い出まで手放してしまう気がする
- 家族や親戚にどう思われるか気になる
- お金に換えることに後ろめたさがある
- 売った後で後悔しそうで怖い
- 縁起が悪いと言われたことがある
当てはまった項目によって、向き合い方は変わります。下の表で、気持ちごとの考え方をまとめました。
| 気持ち | 考え方のヒント |
|---|---|
| 亡くなった人に申し訳ない | 大事な1つを残せば、思い出を大切にすることはできる |
| 思い出まで手放す気がする | 写真や一部を残せば、思い出は手元に残せる |
| 家族にどう思われるか | 売る前に一覧を見せて、残したい人がいないか聞く |
| お金に換える後ろめたさ | 使い道を家族で話しておくと、気持ちが落ち着きやすい |
| 後悔しそう | 全部を一度に売らず、迷う物は保留にする |
| 縁起が悪いと言われた | 決まりがあるわけではなく、気持ちの問題として扱う |
「売ると縁起が悪い」は本当?
形見を売ると縁起が悪い、という話を聞いたことがある方もいるかもしれません。ただ、売ってはいけないという決まりがあるわけではないんです。
気になる時は、手放す前に手を合わせる、写真を撮っておくなど、自分なりの区切りをつけてみてください。気持ちが落ち着く方法を選べば、それで十分です。
気持ちがついてこない時は、決めるのを先にのばしていい
罪悪感が強いうちは、無理に結論を出さなくても大丈夫です。遺産分割そのものには、いつまでにという期限はありません。
ただ、手続きの中には期限があるものもあります。急がなくていいことと、期限があることを分けておくと、焦らずにすみます。
| 期限があること | 期限の目安 | 根拠 |
|---|---|---|
| 相続放棄をするかどうか | 相続の開始を知った時から3か月以内 | 民法915条 |
| 相続税の申告・納税(かかる場合) | 死亡を知った日の翌日から10か月以内 | 国税庁 No.4205 |
| 特別受益・寄与分を考えた分け方 | 相続開始から10年を過ぎると考慮されない | 民法904条の3 |
相続税は、遺産の合計が「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を超える時にかかります(国税庁 No.4102)。例えば相続人が2人なら、3,000万円+600万円×2=4,200万円が基礎控除の額です。
こうした手続きと、形見を売るかどうかは別の話です。形見の行き先は、気持ちの整理がついてから、ゆっくり決めていきましょう。
形見を売ってもいいと考えられる理由
『それでも、本当に売っていいのかな』。そう迷う方のために、手放してもいいと考えられる理由をいくつか挙げてみます。
しまっておくだけでも、残しておいた方がいい気がするんです。
残すのも、もちろん1つの選び方です。ただ、出番のないまま引き出しの奥にあるのが気になっているなら、行き先を考えてみる時期なのかもしれませんね。
使われないまましまっておくより、行き先を決めたい
形見の金のアクセサリーは、サイズやデザインが合わずに、何年もしまったままになることがよくあります。誰にも見られず、使われないままの状態が気になっているなら、それも自然な気持ちです。
売るのは、そうした品の行き先を決めることの1つです。残す物と一緒に考えれば、後ろめたく感じる必要はありません。
次に使う人の手に渡ることもある
買取店に渡った金のアクセサリーは、また別の人に使われたり、素材として生かされたりすることもあります。大切にされていた品が、次の場所で役に立つと考える方もいます。
残した物を大切にするためにも
形見が多すぎると、どれも大事にしきれず、まとめてしまい込んだままになりがちです。数をしぼると、残した1つを身につけたり、飾ったりしやすくなります。
『全部を守らなきゃ』と思うほど、どれにも手が付けられなくなることも。大事な物を大事にするために、行き先を分けると考えてみてください。
家族の暮らしの助けになる
売ったお金を、家族の暮らしや、亡くなった人を偲ぶ行事に使うという考え方もあります。何に使うかを家族で話しておくと、お金に換えることへの後ろめたさが和らぎやすいんです。
売ることを無理に決める必要はありません。気持ちの整理がつくまで、しばらく残しておくのも立派な選び方です。どちらを選んでも、亡くなった人を大切に思う気持ちは変わりません。
残す物を決めてから、売る物を家族で決める
順番は「全部を集める、残す物を決める、売る物を家族で決める」です。この順番を守るだけで、後悔や家族とのすれ違いはかなり減ります。
形見を手放す時に後悔しやすいのは、残す物を決める前に、勢いで売ってしまった時です。先に「これだけは残す」を決めておくと、売る物を選ぶ時に迷いが少なくなります。
- 遺品の金や貴金属を1か所に集め、写真を撮る
- 一覧を作り、家族に見せる
- 「これは残したい」という物を、家族それぞれに聞く
- 誰も残さない物だけを、売る候補にする
- 迷う物は、売らずに保留の箱に入れておく
遺品のままの金は、遺産分割が終わるまでは相続人みんなの物です。民法898条では、相続人が数人ある時は「相続財産は、その共有に属する」とされています。
ですので、自分ひとりの判断で売らず、家族と一緒に決めることが大切です。残す物と売る物の分け方は、残す形見と売る形見の分け方でくわしく説明しています。
相続放棄は、相続の開始を知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申し立てます(民法915条)。その前に相続財産の全部または一部を処分すると、単純承認をしたものとみなされます(民法921条1号)。放棄を考えている時は、形見を売る前に家庭裁判所や弁護士・司法書士に確認してみてください。

写真に残す・一部だけ残すという方法
『全部を残すのは無理。でも、全部を手放すのもつらい』。そんな時は、残し方を工夫してみるのも1つの方法です。
| 残し方 | どんな方法か | 向いている人 |
|---|---|---|
| 写真に残す | 品物を1点ずつ撮って、アルバムやスマホに残す | 物は手放しても、見返せるようにしたい人 |
| 1つだけ残す | 一番思い出のある品を1つだけ手元に置く | 数が多くて、全部は持ちきれない人 |
| 身につける | 指輪をネックレスに通すなどして使う | 毎日の中で思い出したい人 |
| 作り直す | 使いやすい形にリフォームする | 元のデザインは古いが、手元に置きたい人 |
| 家族に託す | 残したい家族に受け継いでもらう | 自分は使わないが、家族の中に残したい人 |
例えば「母がよくつけていた指輪は1つ残す。ほかのネックレスは写真に撮ってから査定に出してみる」。こんなふうに組み合わせると、気持ちの区切りがつけやすくなります。
作り直す場合の費用は、材料費と工賃で決まり、使わなくなった金やプラチナの枠を下取りすると支払いが減る店もあります。デザインや石の大きさで金額の幅が大きいので、気になる時は見積りを取ってみてください。
指輪の残し方や決め方は、形見の指輪は売る?残す?迷った時の決め方でも紹介しています。
- 品物を1点ずつ、明るい場所で撮る
- 刻印や石のアップも撮っておく
- 箱や包みも一緒に撮る
- 思い出をひと言メモにして写真と一緒に残す
手放す日に、自分なりの区切りをつける
罪悪感が残る方の中には、手放す日の過ごし方を決めておくと気持ちが楽になる、という方もいます。決まった作法があるわけではないので、自分に合う方法を選んでみてください。
- 最後に一度だけ身につけてみる
- 手を合わせて「ありがとう」と伝える
- 家族と思い出話をしてから持っていく
- 残した1つを、目に入る場所に飾る
例えば「残した指輪を小さな箱に入れて、仏壇のそばに置いておく」。こうして残した物の居場所を決めておくと、手放した物への気持ちも落ち着きやすくなります。
家族にはどう伝える?
兄に「売ろうと思う」と言ったら、反対されそうで言い出せません。
いきなり「売る」と伝えるより、「どうしようか相談したい」と切り出すと話しやすいですよ。先に、残したい物があるかを聞いてみましょう。
家族とのすれ違いは、「売る」という結論だけが先に伝わった時に起こりやすいものです。相談として切り出すと、相手も自分の気持ちを話しやすくなります。
例えばこんな言い方です。「お母さんのアクセサリー、どうするか一緒に考えたくて」「残したい物があったら先に教えてね」「誰も使わない物だけ、一度見てもらおうと思うんだけど、どうかな」。
| 相手 | 伝え方の例 |
|---|---|
| 兄弟姉妹 | 一覧を見せて「残したい物があったら先に選んで」 |
| 残された親 | 「無理に売るつもりはないよ。使わない物だけ相談させて」 |
| 親戚 | 形見分けを終えてから「残った物の行き先を考えている」 |
| 配偶者の家族 | 配偶者を通して相談し、自分だけで決めない |
家族の意見が分かれた時は
『私は売りたいけど、妹は残したいと言っている』。そんなふうに、家族の中で意見が分かれることもありますよね。
おたからやの公式コラムでも、意見が割れた品は一時保管し、冷静に再協議することで感情的な対立を避けられると案内されています。結論を急がず、その品だけ保留にしておくのも1つの方法です。
話し合いがどうしてもまとまらない時は、家庭裁判所の遺産分割調停を使う方法もあります(申立ての費用は収入印紙1,200円分と郵便切手)。くわしくは家庭裁判所や弁護士に相談してみてください。
形見分けで自分が受け取った品なら、自分で行き先を決めやすいですよね。それでも気になる時は「大事に使ってくれるところに出そうと思う」とひと言添えておくと、気持ちよく進められます。
親や祖父母の形見を売る時の家族への相談の順番は、親・祖父母の形見の金を売る時の進め方でくわしく説明しています。
納得して手放すための手順
売ると決めた品だけを、自分で選んだ買取店で査定に出します。品物ごとの金額を聞いてから決めればいいので、査定に出したからといって売らなければいけないわけではありません。
金額を聞くと、気持ちが決まる方もいます。『思っていたより価値がある。やっぱり残そう』と考え直すのも、もちろん大丈夫です。
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売ると決めた形見だけ、金額を聞いてから
残す物を決めて、家族で話し合ったら、売る品だけを査定に出しましょう。刻印のない品や壊れた品も、店で品物を見てもらい、1点ずつ金額の説明を聞いてから決められます。査定だけでも大丈夫です。
査定料無料公式サイトで買取価格を確認する買取価格は日々変わります。最新の価格・条件・必要書類は公式サイトで確認してください。
- 残す物を決め、売る候補を家族と確かめる
- 売る候補の写真を撮り、刻印や付属品をまとめる
- 自分で選んだ買取店で、品物ごとの金額を聞く
- 金額を家族と共有し、売るか残すかを決める
- 納得したら本人確認書類を持って売り、明細を保管する
国民生活センターは2026年9月2日の発表で「査定を受けたからといって、その場で買取に応じる義務はありません」と呼びかけています。店頭での買取にはクーリング・オフが使えないので、少しでも迷ったら持ち帰りましょう。
自宅で査定を受ける出張買取は「訪問購入」にあたり、法定書面を受け取った日から8日間はクーリング・オフができます。
買取店は、買い取る時に売る人の本人確認をすることになっています(古物営業法15条)。運転免許証やマイナンバーカードなど、現住所の書かれた書類を用意しておきましょう。
金額の目安を知っておくと、気持ちが落ち着く
『いくらになるのか分からないのが、なんだか怖い』。そう感じる方は、先に目安を知っておくと気持ちが落ち着きます。
田中貴金属工業が2026年10月20日17:00に発表したRE:TANAKAのリサイクル価格では、K18が1gあたり15,214円(税込・記事執筆日時点の参考値)でした。例えば18金10gのネックレスなら、15,214円×10g=152,140円が計算上の目安です。
実際の金額は店や品物によって変わるので、あくまで目安として見てください。生活用の動産を売っても所得税はかかりませんが、貴金属や宝石で1個または1組の価額が30万円を超えるものは課税の対象です(国税庁 No.3105)。高額な品は税務署か税理士に確認してみてください。

売る前に、品物の写真と、思い出のひと言をメモしておくと、後から見返せます。売った時の明細も一緒に保管しておくと、家族に聞かれた時にも説明しやすくなります。
「形見を売る罪悪感」よくある相談
ネットの相談サイトでよく見かける悩みを3つ取り上げます。
義母の遺品の貴金属、売るのはよくないこと?
義母の遺品として貴金属やジュエリーを受け取ったけれど、売るのはよくないことなのか、という相談です。
受け取った品を売ってはいけないという決まりはありません。ただ、配偶者や義理の兄弟姉妹の気持ちもあるので、売る前に配偶者に相談しておくと安心です。
もしまだ遺産分割が終わっていない遺品なら、相続人みんなの物なので、相続人の間で決めてもらう必要があります。自分が形見分けで受け取った物かどうかを、まず確かめておきましょう。
形見の指輪を売ってしまい、後悔している
家計のために家族の形見の金の指輪を売ったけれど、後から本当によかったのか不安になった、という相談もあります。
『もう取り返せない』と自分を責めてしまう気持ち、よく分かります。ただ、家族のために考えて決めたことなら、それも1つの大切な選び方です。
売る前に家族に話していなかった場合は、今からでも事情を伝えておくと、すれ違いを防げます。次に形見を整理する時は、残す物を先に決めてから考えるようにしてみてください。
形見の腕時計、売るのはどうなのか
形見の腕時計に値段が付きそうだけれど、売るのはどうなのか迷っている、という相談です。
値段が付きそうな品ほど、『お金目当てだと思われないかな』と気になりますよね。でも、金額を知ることと、売ると決めることは別のことです。
迷っているうちは、急いで決めなくて大丈夫です。査定で金額だけ聞いてみて、家族と相談してから決める方法もあります。時計の売り方は形見の時計を売る前に知りたいことで説明しています。
よくある質問
形見を売ると、亡くなった人に悪いでしょうか?
売ってはいけないという決まりはありません。大事な物を残し、使わない物を手放すのも1つの選び方です。気持ちの整理がつくまで待つのも大丈夫です。
形見を売る罪悪感を減らすにはどうしたらいいですか?
先に残したい物を決めて、写真を撮ってから手放すと、気持ちの区切りがつけやすくなります。家族と相談して決めると、後ろめたさも和らぎやすくなります。
査定に出したら売らないといけませんか?
いいえ、査定と買取は別のことです。金額を聞いて持ち帰り、家族と相談してから決めても大丈夫です。
形見分けでもらった物も、家族に相談した方がいいですか?
自分が受け取った物なら、自分で行き先を決められます。ただ、気になる家族がいる時は、ひと言伝えておくと気持ちよく進められます。
義理の親の形見を売る時は、誰に相談すればいいですか?
まずは配偶者に相談するのが自然です。まだ遺産分割が終わっていない遺品なら、相続人みんなの物なので、相続人の間で決めてもらう必要があります。
売った後で後悔しないためには?
全部を一度に売らず、迷う物は保留にしておきましょう。品物ごとの金額を聞いてから決めると、納得して手放しやすくなります。
まとめ
- 形見を売ることへの罪悪感は、大切に思っている気持ちの表れ
- 売ってはいけない決まりはなく、残す選択も売る選択も大切
- 残す物を先に決め、誰も残さない物だけを売る候補にする
- 写真に残す・1つだけ残すなど、残し方を工夫できる
- 家族には「相談」として切り出し、金額を聞いてから一緒に決める
形見の金全体の扱い方は形見の金を売るには?遺品から出てきた金の扱い方と売り方にまとめています。







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