金貨を相続したら?遺品の記念金貨の扱い方と売る前に知りたいこと

相続した金貨の扱い方を家族で確かめるイメージ

当サイトの記事は、国税庁・裁判所・法務省・e-Gov法令検索・国民生活センターなど公的機関の公開情報、田中貴金属工業の公表価格、各買取店の公式情報、Yahoo!知恵袋などの公開された声をもとに編集部が独自に執筆しています。相続・税金の個別の判断は、税務署・税理士・弁護士・司法書士・家庭裁判所などに確認してください。買取価格・条件は店や品物ごとに異なり、日々変わります。

遺品を片付けていたら、ケースに入った10万円金貨や、外国の金貨が何枚も出てきた。金貨を相続したらどう扱えばいいのか、お金として使っていいのか、迷ってしまいますよね。

結論から言うと、金貨も相続財産なので、まずは全部をそのままの状態で集めて、家族と分け方を決めるのが先です。売るかどうかは、その後で品物ごとの金額を聞いてから決めても遅くありません。

この記事を読めば、金貨の種類ごとの見方と、相続の時に気をつけたいこと、売ると決めた時の流れが分かります。

遺品を整理中の人

父の机の引き出しから、ケースに入った金貨が何枚か出てきました。記念のものみたいですが、どうしたらいいでしょうか。

案内役

まずはケースや箱から出さずに、そのまま一か所に集めて写真を撮っておきましょう。金貨も相続人みんなで分ける遺産なので、扱いは家族と相談してからで大丈夫です。

目次

遺品から出てくる金貨は、大きく3種類あります

ひと口に金貨といっても、遺品から出てくるものにはいくつか種類があります。種類によって、相談先や見てもらうポイントが少しずつ違うんです。

種類例特徴
日本の記念金貨天皇陛下御在位60年10万円金貨、天皇陛下御即位10万円金貨、皇太子殿下御成婚5万円金貨、オリンピックや万博の1万円金貨額面のある日本の貨幣。財務省の一覧では品位はすべて純金
地金型金貨メイプルリーフ金貨、ウィーン金貨ハーモニーなど金の重さで値段が決まるタイプの金貨。田中貴金属も価格を公表している
古い金貨・小判のような物小判、古い外国の金貨など本物かどうか、古いお金としての見方が品物ごとに違う
遺品から出てくる金貨の3つの種類と、それぞれ確かめたいところの図解

日本の記念金貨

一番よく出てくるのが、日本の記念金貨です。財務省の「記念貨幣一覧」では、純金の記念金貨は昭和61年の天皇陛下御在位60年10万円金貨から、令和7年の2025年日本国際博覧会記念1万円金貨まで並んでいます。

重さは種類によって違います。例えば、天皇陛下御在位60年10万円金貨は20.0g、天皇陛下御即位10万円金貨(平成2年)は30.0g、皇太子殿下御成婚5万円金貨は18.0gです。

地金型金貨

メイプルリーフ金貨やウィーン金貨ハーモニーのような外国の金貨は、金の重さを基準に売り買いされるタイプです。田中貴金属の価格のページにも、この2つの金貨の価格が載っています。

金の地金と同じように見られることが多いので、扱いは相続した金地金(インゴット)の売り方と必要書類もあわせて読んでみてください。

小判や古い金貨のような物

小判のような物や、古い外国の金貨が出てくることもあります。こうした品は、本物かどうかや、古いお金としての評価が一枚ずつ違うので、この記事では深くは触れません。

『もしかして本物の小判かも』と気になったら、自分で磨いたり削ったりせず、そのままの状態で専門の店に見てもらうのが安心です。

記念金貨は「額面のある貨幣」です

『10万円金貨なら、10万円として使えばいいのかな』と思う方も多いはずです。実は、これは半分正解なんです。

財務省のよくある質問では、記念貨幣は法律で貨幣と定められていて、通常の貨幣と同じように使えると説明されています。ただし、自動販売機などでは使えないことがあるので、使う時は銀行などの金融機関の窓口で通常の貨幣と引き換えるよう案内されています。

先に結論

記念金貨は、金融機関の窓口で額面のお金に引き換えられます。ただ、純金でできているので、金としての目安が額面を大きく上回る種類もあります。引き換える前に、金としての目安も一度確かめておきましょう。

日本銀行も、記念貨幣は日本銀行や金融機関の窓口で通常の貨幣と引き換えられると説明しています。日本銀行の本店・支店で引き換える時は事前の予約をお願いしていて、郵送での引換えは行っていないと案内しています。

窓口で引き換える前に確かめたいこと

日本銀行の引換えの受付は、月曜から金曜の9:00〜15:00(祝日と12月31日〜1月3日を除く)と案内されています。民間の金融機関で引き換える時の手数料などは、この記事では確認できなかったので、事前に窓口へ聞いてみてください。

引き換えたお金も、相続人みんなで分ける遺産であることは変わりません。一人で窓口に持って行く前に、家族の了解を取っておきましょう。

額面と、金としての目安を比べてみると

金としての目安は「重さ×その日の金の価格」で計算できます。田中貴金属が2026年10月20日17:00に公表した金の店頭買取価格は、1gあたり22,773円(税込・記事執筆日時点の参考値)でした。

金貨(純金)重さ額面22,773円×重さ(計算上の目安)
天皇陛下御即位10万円金貨(平成2年)30.0g100,000円683,190円
天皇陛下御在位60年10万円金貨20.0g100,000円455,460円
皇太子殿下御成婚5万円金貨18.0g50,000円409,914円
御在位10年・20年・30年、令和の御即位の1万円金貨20.0g10,000円455,460円
長野五輪・愛知万博・東京2020などの1万円金貨15.6g10,000円約355,259円
記念金貨の額面と、金の重さで見た計算上の目安を比べた図解

この数字は、金地金の店頭買取価格に金貨の重さを掛けただけの、素材としての目安です。実際に店が出す金額は、店ごとの基準や金貨の状態で変わります。

それでも、額面で引き換えるか、金として査定を受けるかで金額の桁が変わる場合がある、ということは知っておきたいところです。おたからやの記念金貨のページでも、10万円金貨・1万円金貨は銀行で額面に両替できる一方で、金価格の上昇で額面以上の金額で買い取れると案内しています。

相続では、金貨も遺産の一部です

金貨はケースに入った記念品のように見えますが、相続では立派な遺産です。田中貴金属は公式サイトで「地金・金貨・プラチナコインは相続税(贈与税)の対象です。」と案内しています。

遺品を整理中の人

記念品だから、一番近くにいた私がもらっても大丈夫ですよね。

案内役

そう思うのは自然です。ただ、相続人が何人かいる時は、分け方が決まるまでみんなの物になります。もらうと決める前に、ほかの家族にも一言相談しておきましょう。

分け方が決まるまでは、相続人みんなの物

民法898条には「相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する。」とあります。金貨も、遺産分割が終わるまでは相続人みんなの共有、という考え方になります。

だから、一人の判断で両替したり売ったりするのは控えておきましょう。家族への声のかけ方は、例えば「父の金貨が出てきたから、一度みんなで見てから誰が持つか決めない?」くらいで十分です。

話し合いで、法定相続分と違う分け方にすることもできると国税庁は案内しています(No.4132)。

相続税がかかるかは、遺産全体で考えます

相続税は、遺産の合計が基礎控除を超える時にかかります。基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です(国税庁 No.4102)。

法定相続人の数基礎控除の額
1人3,600万円
2人4,200万円
3人4,800万円

金貨だけで判断するのではなく、預金や家などを合わせた遺産全体で見るのがポイントです。申告と納税が必要な場合は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内と案内されています(No.4205)。

金貨の評価は「時価」が基本

相続税法22条では、相続で取得した財産の価額は、取得の時の時価によるとされています。ただ、記念金貨の評価方法を名指しした国税庁の説明は、この記事の調べた範囲では見つかりませんでした。

評価で迷ったら

金貨をいくらで計算するかは、亡くなった日の金の価格や金貨の種類で変わります。具体的な評価は、税務署や税理士に確認しておくと安心です。相続税の考え方は金を相続したら相続税はかかる?でまとめています。

相続放棄を考えている時は、売る前に確認を

借金などがあって相続放棄を考えている場合は、特に注意が必要です。民法921条1号では、相続財産の全部又は一部を処分すると、単純承認をしたものとみなされるとされています。

相続放棄は、自分のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所へ申述します(民法915条)。金貨を両替したり売ったりする前に、家庭裁判所や弁護士・司法書士に確認しておきましょう。

ケース・箱・鑑定書は付けたままにしておく

金貨が出てきたら、ケースや箱、説明書や鑑定書のような紙も一緒に保管しておきましょう。売るにしても残すにしても、付属品はその金貨の素性を伝える大事な手がかりになるんです。

おたからやの記念金貨のページでは、金貨はコレクター需要が高いので、ケースなど購入時の付属品がそろっているほど評価が高くなる傾向があると説明しています。高く売りたい場合は、付属品をそろえてから査定に出すのがおすすめ、とも書かれています。

金貨が出てきたら確かめること
  • ケースや箱から出さずに、そのまま保管する
  • 説明書や鑑定書、購入時の書類も同じ袋や箱に入れる
  • 1枚ずつ写真を撮り、表と裏の文字が分かるようにする
  • 枚数と種類をメモして、家族と共有する
  • 磨いたり洗ったりしない

『くすんでいるから、きれいにしてから見せたい』と思うかもしれませんね。ただ、おたからやの公式サイトでは、無理に磨いたり薬品で洗ったりすると表面を傷つけたり色味を損ねたりするおそれがあるので、そのままの状態で持ち込むのがおすすめとしています。

ケースから出してしまった金貨も大丈夫

すでにケースから出してしまった金貨もありますよね。おたからやの御即位記念金貨のページでは、保護ケースから取り出した金貨でも買取可能で、本体に傷がある場合でも査定・買取は可能と案内しています。

出してしまった物は、それ以上傷がつかないように、柔らかい布に包んで保管しておきましょう。

本物かどうかは自分で判断しない

昭和天皇御在位60年記念の10万円金貨については、偽造品が見つかった事件があったことが国会の議事録に残っています。本物かどうかは見た目だけでは判断しにくいので、店で実物を見てもらうのが確かです。

残すか、売るかは家族で決める

金貨は1枚ずつ分けやすいので、相続人それぞれが1枚ずつ受け継ぐ、という分け方もしやすい品です。『父が大事にしていたから、1枚は手元に残したい』という気持ちも、とても大切にしてほしいところです。

例えば、話し合いの場ではこんな言い方をすると、気持ちが伝わりやすいです。

「この御即位の金貨は、父がよく見せてくれたから残したい。ほかの金貨は、金額を聞いてから決めない?」

金貨を家族で分けるまでの流れ
  1. 出てきた金貨を全部集め、種類と枚数を一覧にする
  2. 写真と一覧を、相続人みんなで共有する
  3. 残したい金貨があれば、先に出してもらう
  4. 残す物、売る物、それぞれが受け継ぐ物を話し合って決める
  5. 売る物は、品物ごとの金額を聞いてから最終的に決める

残す金貨は、付属品と一緒にしまっておく

残すと決めた金貨は、ケースや箱、説明書と一緒にしまっておきましょう。誰が受け継いだかを一覧に書いておくと、後で『あの金貨はどこへ行ったの』と家族が迷わずに済みます。

金貨は小さくて重さもあるので、ほかの遺品に紛れると見つけにくくなります。家族で決めた保管場所を一つにしておくと安心です。

売ったお金を分ける方法や、一人が金貨を受け継いで他の家族にお金を払う方法もあります。分け方の考え方は、相続人が複数いる時の金の分け方でくわしく説明しています。

売ると決めたら、金貨の扱いに慣れた店へ

売ると決めた金貨は、どこに持って行くかで扱いが変わることがあります。ここが大事なところです。

例えば、田中貴金属のRE:TANAKAは、「円表記のある法定通貨」を買い取りできないものに挙げています(田中貴金属が販売したメダル・コインは資産用商品として買い取るという注記つき)。日本の記念金貨を持ち込む時は、扱っているかを事前に確かめておきましょう。

店によって、記念金貨の値段の付け方は違います

記念金貨1枚の参考価格は、店によってかなり違います。どちらが正しいということではなく、店ごとに単価や評価の基準が違うんです。

店天皇陛下御即位10万円金貨(30g)の公表例1gあたりに直すと
買取大吉(2026年10月20日更新の買取参考価格)892,800円892,800円÷30g=29,760円
大黒屋(2026年10月20日更新の公表例)644,000円644,000円÷30g≒21,467円

おたからやの公式サイトにも記念金貨の参考買取価格が載っていますが、これは2026年1月29日時点の過去最高買取実績で、現在の買取価格ではないと注記されています。数字を見る時は、いつの、どんな基準の値かを一緒に確かめてみてください。

売る時の流れ

売ると決めたら、残す物を決めて家族で話し合った上で、売る金貨だけを自分で選んだ買取店に持って行きます。査定だけ受けて、1枚ごとの金額を聞いてから決めても大丈夫です。

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売ると決めた形見だけ、金額を聞いてから

残す物を決めて、家族で話し合ったら、売る品だけを査定に出しましょう。刻印のない品や壊れた品も、店で品物を見てもらい、1点ずつ金額の説明を聞いてから決められます。査定だけでも大丈夫です。

査定料無料公式サイトで買取価格を確認する

買取価格は日々変わります。最新の価格・条件・必要書類は公式サイトで確認してください。

おたからやは、査定料・鑑定料はかからないと公式サイトで案内しています(2026年10月確認)。LINE査定は、売らずに金額を知るだけでも大丈夫と書かれているので、まず目安を知りたい時にも使えます。

店の選び方は、遺品・形見の金はどこで売る?で比べています。

売った後の税金も、少しだけ知っておく

国税庁の報道発表資料には、金地金等(金・白金地金、金貨・白金貨)の譲渡で大きな譲渡益が出た場合は、原則として総合課税の譲渡所得として課税されると書かれています。相続した物を売る時は、亡くなった人が買った時の値段と時期を引き継ぐ考え方になります(所得税法60条)。

200万円を超える取引

金貨を売って、1回の代金が200万円を超えると、買取店が税務署に支払調書を出します(所得税法224条の6・施行令350条の7)。これは税金がかかるかどうかの線ではありません。申告が必要かどうかは、税務署や税理士に確認しておきましょう。くわしくは相続した金を売った時の税金で説明しています。

金貨の相続でよくある相談

知恵袋などでよく見かける相談を、要点だけまとめて答えます。

相談1 もらった10万円金貨はお店で使える?

祖父から10万円金貨をもらったけれど、コンビニや通販の支払いに使えるのか、という相談です。財務省は、記念貨幣は通常の貨幣と同じように使えるとしつつ、自動販売機などでは使えないことがあるので、金融機関の窓口で通常の貨幣と引き換えるよう案内しています。

ただ、先ほどの表のとおり、金としての目安が額面を大きく上回る種類もあります。使う前に、家族にも相談しながら、金としての目安を一度確かめておくと後悔が少ないはずです。

相談2 遺品から小判のような物が出てきた

父の遺品から、文字の入った小判のような物が出てきたという相談です。小判のような品は、本物かどうかや古いお金としての評価が一枚ずつ違うので、写真だけで判断するのは難しいところです。

磨かずにそのままの状態で、相続人で共有してから、専門の店に実物を見てもらいましょう。鑑定書のような紙が一緒に出てきたら、それも付けたままにしておきます。

相談3 遺品整理で金貨が何十枚も出てきた

趣味で集めていたらしい金貨が数十枚出てきて、どう売ればいいか分からないという相談です。枚数が多い時は、まず種類ごとに分けて一覧を作るところから始めましょう。

その上で、残す物と売る物を家族で決め、売る物だけを査定に出します。持ち運びが不安な量なら、自分から申し込む出張査定を使う方法もあります。

一覧には、種類・年銘・枚数・ケースの有無を書いておくと、査定の時にも話が早く進みます。同じ種類が何枚もある時は、まとめて1行にしても大丈夫です。

よくある質問

相続した記念金貨は、銀行で額面のお金に替えられますか?

財務省や日本銀行は、記念貨幣は金融機関の窓口で通常の貨幣と引き換えられると案内しています。ただし、金としての目安が額面を上回る種類もあるので、替える前に家族と相談しておきましょう。

金貨にも相続税はかかりますか?

金貨も相続財産なので、遺産全体が基礎控除の「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を超える場合は、相続税の計算に入ります。評価の仕方は税務署や税理士に確認しておくと安心です。

ケースがない金貨でも売れますか?

おたからやは、ケースから取り出した記念金貨でも買取可能と案内しています。ケースや箱が残っている物は、付けたまま持ち込みましょう。

形見として金貨を1枚もらってもいいですか?

相続人みんなが納得していれば、形見として受け継ぐこと自体は問題になりにくいです。ただ、相続放棄を考えている人は、受け取る前に家庭裁判所や弁護士・司法書士に確認しておきましょう。

外国の金貨はどう扱えばいいですか?

メイプルリーフ金貨のような地金型金貨は、金の重さを基準に見られることが多い金貨です。扱いは日本の記念金貨と同じく、家族で分け方を決めてから考えましょう。

まとめ

この記事の要点
  • 遺品の金貨は、記念金貨・地金型金貨・小判のような物に分けて考える
  • 記念金貨は額面に引き換えられるが、金としての目安が額面を上回る種類もある
  • 金貨も相続財産で、分け方が決まるまでは相続人みんなの共有
  • ケースや鑑定書は付けたまま、磨かずに保管する
  • 売る物は家族で決めてから、1枚ごとの金額を聞いて判断する

形見の金全体の扱い方は形見の金を売るには?遺品から出てきた金の扱い方と売り方の全知識にまとめています。

形見の金.jp

形見の金.jp 編集部

遺品整理で出てきた金の指輪・ネックレス・金貨・おりんなどを、家族で納得して残す・分ける・売れるよう、国税庁・裁判所など公的機関と各社の公式情報をもとに整理している情報サイトです。 公式サイト

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